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ロンドンで働いてみた

Cambridge MBAを2010年夏に終了後、そのままロンドンで仕事してみています。 ここでの体験を日本で役立てられるよう、日々勉強しています。
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09.20.02:05

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  • 09/20/02:05

06.22.09:56

メキシコ湾、原油、BP

仮にもエネルギーをかじってた人間として、この問題に触れずにはいられないと思う一方、状況はものすごくセンシティブで、コメントするのが非常に難しい。また、俺が何を言ってもある種のポジショントークになってしまう可能性もあるので、そこまで主張めいたことは(極力・・)書かない。

ただ、ここイギリスでのとらえられ方くらいは、事実経過として参考になるかもしれないとは思う。



結論、イギリスメディアの報道姿勢は極めて冷静である。冷静、というか、アメリカ人が見たら引き気味とも見えるかもしれない。それはイギリスを代表する(※)BPがアメリカで起こしていることだから、というナショナリズム的な感情というより、もっと実際的な、BPが食らう被害はけっこう一般国民にも及ぶという事実による。

例えば代表的なものは、BP株下落によって年金に大きな穴が開きかねないということ。ニュースで聞いた限りだと、BP株はイギリスの年金基金の投資銘柄として、少なくとも過去10年間、トップ3に入ってきたという。既にBP株は4月20日の事故発生以来、ほぼ半分に下落しているが、これは確かに年金受給者としてはヒヤヒヤものだ。あまりメディアで騒いでそのせいで被害が広がれば国民からも反発が出るだろう。



もっと広く言えば、当然あの規模の会社だと、経済に与える波及効果も絶大だ。BPが新規投資をちょっと控えただけでも、周りに死ぬ企業が続々と出るだろう。



一方アメリカの報道を見ると、こちらはさすがに容赦ない。地元住民、政治家、環境団体などなど含めBP憎しというメッセージが強烈。アメリカとしては3月末に沖合油田の開発にゴーを出したばかりなので、行き場のない怒りをBPにぶつけている面もあるのだろう。

ただ、当然ながらBPが本当につぶれてしまうと、この事故はどうしようもなくなる。体力のあるBPだから持ちこたえているが、途中から代わってくれる会社などあるはずない。そもそも中小開発会社であればさっさと破産して逃げる道を選んでいるだろう。

オバマとBP社長の会談で、200億ドル(2兆円弱)をエスクローアカウントに入れるという話がまとまったようだが、これも、最悪BPがつぶれても、2兆円は確保できるようにする為。

ただ、これに限らずアメリカが示唆している各種のペナルティ、補償請求がどこまで法的強制力があるかというとかなり微妙。このへんはさすがアメリカ流というか、弁護士がいっぱい出てきて最後はどうにか要求を通してしまうのだろうが、政府までそんな姿勢でいいのだろうか。トヨタの例を思い出してしまう。

「この事故によって沖合油田開発がアメリカ全土で凍結されたから、その為に失業した労働者の給与を全面的に補償しろ」などというかなり無茶な要求まで出ているらしい(さすがにBPは拒否中)が、株主のいる私企業として、なんでもかんでも仰せの通りにというわけにはいかない。

第一そんなリスクまで負わされるのであれば、誰も海上油田の開発などできなくなってしまう。これから陸上油田の開発だけでは生きていけるほど、人類の数は少なくない。

ついでに言うと、リグ(海上掘削装置)を建設したのは韓国Hyundai、それを保有してたのはスイスのTransocean、そのリース先は開発権利者のBPだけど、生産井を運営してたのはアメリカテキサスのハリバートン、などなど・・・という関係の中で、今回の事故をどう法的に落とし込んでいくのか。

個人的には、ミスはミスとして裁くとしても、「利益重視で手抜きをしたから事故に」なんていう、暴論を根拠にした懲罰は、将来の法整備に悪影響を与えると思う。



もちろん悲惨な事故であり、どうにか収拾しなければいけないのだが、感情論ではなく、未来を見据えた解決をしてほしい。個人的にすごく気になるので、また状況見えたらなんか書きます。



※ちなみにイギリス企業と書いたが、BPが純粋なイギリス資本だったのは20世紀前半にイランで石油を掘っていたアングロ・イラニアン社時代くらいなもので、その後はアメリカを中心とした外国企業(シカゴのAmocoや、カリフォルニアのARCOなど)とのM&Aを繰り返しているので、実際はイギリスなんだかアメリカなんだか、微妙な企業体である。
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