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ロンドンで働いてみた

Cambridge MBAを2010年夏に終了後、そのままロンドンで仕事してみています。 ここでの体験を日本で役立てられるよう、日々勉強しています。
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  • 03/30/00:01

01.03.08:34

コリアンビジネス UAEへ

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いきなりMBA関係ないのだが、仕事で縁があった国の話題がニュースになってたので。

UAE、アラブ首長国連邦での中東地域最初の原発建設を、最終的に韓国企業団が受注することになった。
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704905704574621653002992302.html

もともとこの件は08年から入札が進められていたが、最終的な候補は①Total、GDFなどのフランス連合、②日立‐GE日米連合、③K-Power、Hyundaiなど韓国連合の3グループに絞られていた。

なかでもフランスはサルコジ就任以来、政治家も含めた海外トップ営業を積極的に行っており、この件でもUAEと原発協定を結んだり、アブダビにルーブル美術館はじまって以来の海外支店建設を認めたりするなど、硬軟両面で相当コネを強めていた。

そんな、業界関係者の誰もがフランスと思っていたディールを、最後にかっさらっていった韓国組の努力にまず驚き。技術力に関しては方式の違いなど色々あるのでここではカバーしきれないが、ビジネスの面でどう訴えたのか、非常に気になるところ。おそらく見た目の値段以上に、フランス人がとれなかったであろうリスク(建設コストの上ブレリスクを丸抱えするなど)を積極的にとったものと思われる。

また、UAEもUAEで、もしかしたらフランスを当て馬に、韓国の積極姿勢を引き出したという風にとらえれば、けっこうしたたかなのかもしれない。ドバイ金融危機の際に担当大臣が随分ナイーブな発言をしてたのとは正反対な印象。こっちはアブダビだけど。

こういう「史上初の」的な案件は多少のリスクに目をつぶってでもとるべきとは思うが、何分金額が兆円単位なので現場の交渉担当者の心労は想像に難くない。案件はとってからが勝負だが、まずはコリアンお疲れ、グッジョブと言ってやりたい。

原発自体は2017年に完工予定だが、問題はむしろオペレーションになるだろう。原発運営には繊細な管理が必要な一方で、UAEで肉体労働に従事している南アジア系の方々はかなり強気な皆さんばかり。何か言っても、だって暑いんだもんと言わんばかりにガチガチ攻めてきたのをなんとなく覚えている。コリアンも概して強気だとは思うが、そもそも韓国も日本も、原発の運営技術までは海外に出したことはない。すなわち自国民で運営してきただけ。

トヨタの工場運営を海外に出した時の苦労話なんかを読んだことがあるが、絶対に失敗は許されない原発ビジネスで、これから何が起きていくのか、今後も見守りたい。

しかし、こういう民主主義でも何でもない国で原発計画を認めておいて、一方イランを執拗に責めるというのは筋が通らないような気がするのだが、この点については単純に勉強不足なので、今度改めて考え直したいと思う。

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