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04.20.07:42 [PR] |
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03.23.04:03 30歳からの学園祭 "May Ball" その1 |
基本的に明朗快活なお子さんではなかった自分の高校時代、大学時代を
振り返ると、学園祭的なものに積極的に関わったことは一度もない。
祭りの雰囲気は好きだったし、準備期間に生まれる学祭ラブみたいなもの
をうらやましく思ったりもしていたが、そういうのはまずクラスのリーダー格が
活躍するもので、そこにはハマれない自分のキャラを嘆き、プレハブの部室
でひとり悶々としたりしていた。
それから10年以上も経ち、いまここでまた学生をやっている。ここらで一度、
大学院デビューしちゃってもいいんじゃないだろうか。
明確にそう思って始めたわけではないが、因果はめぐり、いまMay Ballと
いうのにハマってしまっている。
May Ballというのはケンブリッジ大学に代々伝わる、年に一度のパーティー
である。ケンブリッジ大学にある31のカレッジが、それぞれ企画を練り、内装
を凝らし、ディナーを用意し、バンドなんかも呼んで、夜9時から朝6時まで
一晩中騒ぐ。一応ドレスコードは蝶タイ&タキシードだが、1年の授業が全て
終わったタイミングの打ち上げムードでずっと飲み明かすので、後半は(多分)
かなりグダグダになる。
要は学校祭なんかでいう後夜祭の部分だけをやるイメージだが、出席者全員
から100ポンド前後の高い入場料をとってやるだけに、相当気合いの入った
イベントになる。最も大規模なカレッジになると、予算規模は百万ポンド以上
というから、1億円以上を一晩で飲んでしまう計算(こういうカレッジになると
花火をバンバン打ち上げたり、超メジャークラスの歌手を呼んでしまったりする)。
去年11月、自分の所属するHughes HallのMay Ball運営委員会につい加わ
ってしまい、以降、Ticket Sales Officer、要はパー券売り係をメインに精力的
に働いてしまっている。
しかしやってみると、これがキツい。何がキツいって、自分の経験したことの
ないイベントの素晴らしさを世に訴えるというのはそもそもやや無理がある。
その上、どこかハイテンションになれない自分の人間性が、「一緒に騒ご
うぜ!」みたいなさわやかな殺し文句を使うのをためらわせる。
それでもパーティーの日は近づく。あと3カ月。Hughes Hallは小規模なので
百万ポンドとは言わないが、数万ポンド分は売らなければならない。徐々に
目標は見えてきたが、あともう一押し。最近は他の運営委員会メンバーと
一緒に、カレッジ内外のコミュニティイベントに顔を出しては営業したりも
している。勉強?聞かない聞かない。
そもそもがきっと、そっち方面で不完全燃焼だった少年時代へのリベンジが
心理的なドライブ。劣等感は向上心に変えられるはず。と、重くとらえつつ、
働くほどに友達が増える喜びを感じつつ、ああでももう周りにいるのは
女子高生じゃないんだなと手遅れ感をかみしめながら、祭りの準備をしている。
ちょっと長めのプロジェクトになるので、また続報致します。
最後にどうでもいいですが、ケンブリッジも春めいてきました。田舎ですけど、
いいとこですよ、ということで写真なぞを。
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03.17.05:28 ギリシア問題続き |
ケンブリッジに帰還。既にGlobal Consulting Projectの期間に入っているが、クライアント
とのキックオフミーティングが延期されてしまい、やや待ちぼうけをくらっている。
というわけで書こうと思っていたギリシア問題続きを。
個人的には、ギリシア問題の勘所は、そもそもヨーロッパを仕切っているのは誰なのか?
という点だと思っている。連日、この問題の報道を見ていると、ギリシアのパパンドレウ
首相が必死こいてネゴっているのは、ECBのトリシェ総裁ではない。また、EU欧州理事会
議長(前ベルギー首相、通称「EU大統領」)のファンロンパウや同欧州委員長のバローゾ
(ポルトガル首相)とでもない。
ネゴ相手はドイツのメルケルとフランスのサルコジの2人である。この2人は「大国」のボス
なだけであり、EUの重要ポジションに就いているわけではない。すなわち今回の危機は、
ユーロ圏みんなで力を合わせて作ったはずのECBやEUという組織は結局はリーダー
シップを持っておらず、要は喧嘩の強いボスに頼るしかないという事実を認識させてくれた
と思う。
(真ん中がEU大統領のおじさんだが、個人的には、この両親方の間でリーダー
シップを、と言われても無茶だと思う)
この大国2国がまたそれぞれの思惑で勝手に発言をするので難しいところである。
基本的な立場として、フランスは比較的ギリシアに優しい一方、ドイツは厳しく、財政
引き締めの完全な実施なくして援助などあり得ないというポジション。「なぜ67歳まで働く
ドイツ人が53歳で辞めるギリシア人公務員を助けなければいけないのか?」とのコメント
には、24時間戦える日本人的にはけっこう共感できてしまう。
よってもってギリシアも頑張るしかないのだが、ギリシアの痛いところは、現政権の支持
基盤が(どっかの国と同じで)労働組合だという点である。公務員のボーナスカットや
退職年齢引き上げ等々の引き締め策を打ち出したはいいものの、国中で大規模な
ストライキになってしまい、どうにもならない。国民の4分の1程度がストに参加したという
からこれは相当シビれる。ある公務員スト参加者はインタビューで「国がどんな努力を
してようと自分には関係ない。自分は犠牲者にはならない」と語っており、問題の根深さ
を感じさせる。
とそんな手詰まりなところで、ギリシアがワシントンのIMFまで出掛けて行って支援
要請をした動きは戦略的に素晴らしかったと思う。国際機関としてのIMFは性格上、
ギリシアに扉を閉ざせないが、これを見ればIMFの親玉としてのアメリカが、お前らもう
ちょっとしっかりやれよ、とヨーロッパに圧力をかけてくるのは間違いない。最終的に、
ドイツはわざわざ自らの口からEMF(IMFのヨーロッパ版)構想を切り出してアピール
せざるを得なかった。とはいえ、メルケル親方の発言ではなく、子分の財務相からの
コメントとしたあたりは抜け目なかったと思う(後で修正がきく)が。
そんなこんなで最近の新聞を見ているとまるで大河ドラマである。EMF構想は実現に
時間がかかるので、これで問題は収束しない。もっと直近ではまだまだ切った張ったが
続くだろう。自分個人に落ちてくる利害はウィーン旅行が安く済んだくらいしかないのだ
が、せっかく見だしたこのドラマ、最後までしっかり見ていたい。
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03.15.16:47 英語ではビエナ |
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03.11.09:35 テスト勉強からの逃避:ガーナ編 |
そんな折なんですが、ロンドンで「ガーナ大使が語る、新興石油国の将来」という
イベントがあったので参加してきた。ガーナ大使館でやるイベントなので、そもそも
なんとか会員じゃないと入れませんと言われたのだが、電話口で粘ること15分、
もー、しょうがないわねと言われてあっさり許可。大学生時代に某ブラック企業で
携帯電話の押し売りをしていた経験が、いまロンドンで花開く。
ガーナ大使館に入ってみると、たしかに、「会員」なんだろうなと思わしき、えらそうな
おじ様たちが中心。とにかくイギリスにいると旧宗主国だけあって、アフリカ関連の
ビジネスをしている人間にしょちゅう会えるが、ここも同様、フロンティアでメシ
食ってるぜという屈強な顔をした人間が総勢約40名。浮くのはやむなし。とりあえず
一緒になってビュッフェでメシを食ってしまう。中には意外と気のいいおっさんもいる
ので適宜名刺交換。
ガーナはサブサハラでも突出して政治的に安定していて、2008年に行われた大統領
選では、旧野党が旧与党に50.5%対49.5%で競り勝って政権交代というギリギリの
レースだったにもかかわらず、何のクーデターも暴力沙汰も起きなかったという、
アフリカでは極めて稀な国。過去にはアナン前国連事務総長なども輩出している。
その国で2007年に初めて大規模な油田が発見され、その油田が2010年末に稼働
する予定である一方、最近は毎月くらいの勢いでバンバン新規油田が見つかり、
一気に海外の注目を集めている。
当然、石油がもたらす収入というのは貧富の差の拡大、政治的動乱などにつながり
かねず、最近愛読しているウェブログ「Modern Ghana.com」でも、どこまで石油
産業を進めるか、国内議論が激しい。やはり中高年は「いやー、平和なガーナが
いいな。。」とつぶやく一方、若者は「もう行くしかないだろ、ガーナは変わる」と
血気盛んであり、世代闘争の普遍さを感じさせる。
まあそういう国をこれからどうマネジメントするか、というお題のスピーチで、なか
なか興味深かった。経済的にも、注目されてはいるがまだキャッシュが手元
にあるわけではないので、海外資本に頼るところが大きく、国営石油会社の
油田への出資比率も低い。そのことが、国民の「おい外人に持ってかれてるじゃ
ねーか」という危機感にもつながっているよう。
これからこういう国を相手に商売をしたい身としては、正直、付き合い難しくなり
そうだなとも思ったが、単純に学生の身としてはお勉強になる題材だった。
ガーナ要チェック。
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03.10.04:56 マーケティングなるもの |
風邪をひいた。イギリスに来てから初。大した症状でもないのだが、ここんとこやたら
体がだるい。それでもコンサルプロジェクトの客との電話会議など、外せない予定も
あるので、ある程度は無理して学校に行く。
そういや今週はテストもあり、その勉強もせねばならん。テスト科目は
・Business Law
・Managing Innovation
・Marketing
・Strategy
と4つあるのだが、どーーーにも気分が乗らないのがマーケティング。
こんなこと言うと多分色んなとこから怒られるのだが、「マーケティング」ってものに
自分の中でどーーーにも価値を見出せない。っていうか多分、嫌いなだけ。
日本にいた時から思ってたんだけど、なんかマーケティングの先生ってうさんくさい印象。
こうこうこんなポジショニングでこんなプロモーションをしたから売れたんですよ、
とか言われても、ほんとかよ~、とか思ってしまう。
最低限、どこで誰にいくらで売るか、とかを決める必要があるのは当然わかるのだが、
それ以上マーケティングの先生的なものから何を学ぶんだ?と思っていたが、授業を
受けて、結局このへんが払拭できなかった。テスト勉強で「4P」などのマーケティング
用語を振りかえる度に、うっそーん、とかいちいちつっこんでしまう。
ご批判は承知なので、もしお前それは違うよ、とか浅いよ、とかのご意見あれば、是非
バシバシ打って下さい。