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ロンドンで働いてみた

Cambridge MBAを2010年夏に終了後、そのままロンドンで仕事してみています。 ここでの体験を日本で役立てられるよう、日々勉強しています。
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11.21.19:23

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  • 11/21/19:23

11.17.09:08

イギリス的社会における組織運営1. 「コミュニケーション」

なんだかんだであっという間に時間は経ってしまうわけで。。。今の会社に来てからもう2カ月以上。正直、順調です、ぼちぼちやってますとは言えない毎日ではあったが、その分大変勉強させて頂きましたという感じ。

自分の仕事ぶりとかはさておき、この2カ月、チームのマネジメント補佐みたいなポジションに置かせてもらったので、こっちの人の働き方だけはだんだんと飲みこめてきた。

日本のひとつの会社でしか働いたことのない俺にとっては新鮮なことばかりだったので、これからちょっとずつ紹介しようと思う。



まず1回目は、「ほうれんそう」的思想は通用しない、ということについて。

おそらくどこの日本企業でも、とにかく周りに上司や常に報告しなさい、相談しなさい、コミュニケーションよくしなさい、というのはある種の決まり文句だと思う。俺も別にコミュニケーションがいいこと自体を否定するつもりは全くない。
 
ただ、「ほうれんそう」的な考え方は、そもそも「ある程度のコミュニケーションが最低限はとれている集団である」ことを前提にしている、ということは忘れてはならない。
 
イギリスの伝統的な大企業で働いてみて驚いたのは、想像以上に各人の役割分担が決まっているということ。
 
だいたい採用の時点から、こっちでは相当専門的に職種を絞る。日本みたいに営業もやって工場にも行ってなんていう人事異動が存在しないのはもちろん、同じプロジェクトの管理部署内でも、General Manager、Client Manager、Change Manager、Interface Manager、Document Controller、などなどかなり細かく担当を分ける。各人に期待される職務内容は着任時点でびっちり決まっており、評価基準もその中で明確化されている。
 
難しいのは、人々を専門的に分けるので、ほっとくとコミュニケーションをとらない、というか、事前にJob Descriptionの中で、君と君はこんな感じでコミュニケーションしなさいと決めない限り、別にする義理もないということ。マネージャーとしてはそこまで考えてチームを組織する必要がある。
 
 
しかもイギリスは完全多国籍社会であり、俺の周りも純イギリス人、中国系イギリス人、インド人、モーリシャス人、リトアニア人、俺、みたいな感じで、言葉は同じ英語だが当然仕事のペースも違うし、それぞれの契約形態もバラバラ。

だから仲良くできればもちろんその方がいいのだけど、仮に仲が悪くてもチームの仕事が成立する決まりを作っておかなければならない。
 
日本ではこういう心配はないから、仕事内容を事前にしっかり決めずに「ほうれんそう」で事後調整することも可能だけど、要はこれは環境に恵まれているだけで、ユニバーサルに通用するものでもなんでもない。
 
 
これを拾って日本人のマネージャーが「あいつらはほんと何にも言ってこなくて」とか「外人だろうと何だろうと、できる奴なら自ら考えて行動(自分のところに相談)するはずだ」とか文句言ってるケースはよく見るが、これはとんだお門違いだ。ここで「できる奴」と言われてるのは日本、もしくは東アジア的なクローズドな文化を理解できる人なだけであって、欧米的な文脈においてはそれは重要ではないだけだ。
 
さっきも書いたように、マネージャーはチーム構成員の行動まで事前に理解していなければならないし、たまたま自分の文脈に合わないからと言ってブーたれててもしょうがないのだ。
 
次回はまた別の視点で。
 
 
 
あとどうでもいいけどこの動画は秀逸だと思ったので。なんかアメリカの、というか今の世界のフラストレーションを代弁してる気がする。ゴールドマンのくだりのあたりはほんとその通り。
 
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おもろい
2010年11月18日木

このアニメ面白いねー。バグってる感じとかいいよね。ちょっとサウスパークっぽさもあるけど。

Re:イギリス的社会における組織運営①
2010年11月18日木

「ほうれんそう」的思想は通用しない、か。スゲー参考になる。日本人の経営者やマネージャーは、事前に組織の枠組みや各自の役割分担を明確にして、それを仕組み化することを怠ってるよね。昔できた枠組みや役割分担をなぞってるだけ。それを「ほうれんそう」しまくる現場が補ってる。小学生みたいな思いつきなんだけど、戦略的な組織の枠組みや各自の役割分担設定に長けた欧米系マネージャーと「ほうれんそう」な日系メンバーによる組織が最強だと思うんだけど、直感的に無理?

Re:イギリス的社会における組織運営①
2010年11月20日土

コメントありがとう!

>欧米系マネージャーと「ほうれんそう」な日系メンバーによる組織が最強だと思うんだけど、直感的に無理?

「ほうれんそう」マネージャーと欧米部下よりはなんとなくよさげだけど、結局上司と部下のお互いへの期待をうまくバランスさせないと短期的には機能しないだろうね。「ほうれんそう」のいいところは細かい目配り気配りなのだけど、特に大組織においては、小さなことまで自分で決断できないということになりかねないので、欧米的マネージャーからしたらイライラするだろう。

なんとなく今思うのは、結局上司とか部下のタイプや能力の組み合わせというのはあまり重要じゃなくて、それらを組み合わせる前に「いい、この組織でいくよ?」という確認をしっかりすることの方が重要じゃないかなと。

Re:イギリス的社会における組織運営①
2010年11月22日月

>お互いへの期待をうまくバランスさせないと>短期的には機能しないだろうね。

→それはそうだよね。

>なんとなく今思うのは、結局上司とか部下のタ
>イプや能力の組み合わせというのはあまり重要
>じゃなくて、それらを組み合わせる前に「い
>い、この組織でいくよ?」という確認をしっか
>りすることの方が重要じゃないかなと。

→コレも然り。

オレの会社では、今後さらに色々な人種・文化の人を採用していく予定があり、「どのような人事制度であれば、最も機能するのか」仮説でも良いから早めに決めて実行する必要に駆られています。ところが、日本の人材会社(コンサル含む)には経験もノウハウもないので、近くには参考とすべき範が少ないです。移民の数や多国籍企業の数や事例で言うと、欧米から学びたいです。

だから、堀越の経験とその考察によるアウトプットには、超期待してます。よろ!

Re:イギリス的社会における組織運営①
2010年11月22日月

>日本の人材会社(コンサル含む)には経験もノウハウもないので


コンサルでもそうなんだな。俺はそういう人たちと日本で接する機会が全くなかったのでよく分からんのだけど。欧米系のコンサルの日本支店みたいなやつでもダメなのかね。まあ、なんかフィーとかすげー高そうだけど。

もうちょっと頻繁にアップデートするようにします!

Re:イギリス的社会における組織運営①
2010年11月27日土

>欧米系のコンサルの日本支店みたいなやつでも ダメなのかね

→マッキンゼーとかボスコンのことかな?このクラスからは提案頂いたことないので、分かんない。なんでも、提案頂くだけでもフィー発生するっぽいので、ちょっと今は無理。興味はスゲーある。

>もうちょっと頻繁にアップデートするようにします!

負担にならない程度によろしくー!

Re:イギリス的社会における組織運営①
2010年11月28日日

うーん、どっちかっつーと人事系の欧米系みたいな。マーサージャパンとか。俺の友達が昔いた。今はその人アメリカいってしまったけど。まーいずれにしてもコンサルはフィー高そうだけどな。

ちょっと矢野の会社の当座の目的と合うのかどうか分からんけど、こっちで会った知人の本は、いつか何かの参考になるかもしれん。

「グローバル仕事術―ニッポン式ビジネスを変える」山本昇著

Re:イギリス的社会における組織運営1. 「コミュニケーション」
2010年12月03日金

>「グローバル仕事術―ニッポン式ビジネスを変える」山本昇著

おー!ありがと。読むわ!

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