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04.07.09:06 二酸化炭素と私 |
ここ最近はGlobal Consulting Projectのための調査で、環境、二酸化炭素関連の
ことが頭の中の9割以上を占めている。前回書いた通り、クライアントからもらった
お題が極めてざっくりだったおかげで、逆にこの分野に関するかなり広い範囲の
知識を得られている。
ことが頭の中の9割以上を占めている。前回書いた通り、クライアントからもらった
お題が極めてざっくりだったおかげで、逆にこの分野に関するかなり広い範囲の
知識を得られている。
最終発表までまだあと10日程度あるのだが、なんとなくここまでの調査で思ったの
は以下3つ。
は以下3つ。
(1)二酸化炭素を減らせ、みたいな目標だけ掲げても事態は何も変わらない。国際
的枠組だけではなく、そこから国内規制、個々の企業への削減義務割当、等々
まで落とし込んではじめて目標は機能する。
的枠組だけではなく、そこから国内規制、個々の企業への削減義務割当、等々
まで落とし込んではじめて目標は機能する。
(2)逆に一企業レベルの目線では、現行の制度と排出権マーケットの価格レベル感
を前提にすると、(メーカーでも、電力会社とか製鉄会社でもない限り)二酸化
炭素排出が会社のコストに与えるインパクトはかなり限定的。
を前提にすると、(メーカーでも、電力会社とか製鉄会社でもない限り)二酸化
炭素排出が会社のコストに与えるインパクトはかなり限定的。
(3)(2)を前提に環境関連のソリューションを売り込もうとすると正直かなりしんどい。
一営業マンとしては、お客さんの意識をなるべく超長期に向けさせるべく、
最低限「いやー、そうおっしゃいますけど将来どうなるかわかんないっすよ、最近
のアメリカの州レベルの規制では・・・」くらいまでの会話ができないと仕事になん
ないと思われる。
一営業マンとしては、お客さんの意識をなるべく超長期に向けさせるべく、
最低限「いやー、そうおっしゃいますけど将来どうなるかわかんないっすよ、最近
のアメリカの州レベルの規制では・・・」くらいまでの会話ができないと仕事になん
ないと思われる。
(1)は京都議定書を批准している日本で事態が何も変わっていないことが示す通り。
勿論、京都議定書の構造自体、つっこむべきところも満載なのではあるが(例えば
削減目標が1990年比 x%、になってるが、日本はオイルショック後の70年代~80年代
に大幅に脱石油、脱石炭を進めており、90年にはもう対策がだいたい終わっていた。
エネルギー消費量あたりの二酸化炭素排出量でいえば日本は依然、ヨーロッパの
多くの国より進んでいる)、多国間で決めるにあたって国内の反論を押さえこめないと
思われるのであれば、そもそも合意すべきではなかったと言える。なんで合意しちゃった
んだろう。やっぱ京都だからか?
削減目標が1990年比 x%、になってるが、日本はオイルショック後の70年代~80年代
に大幅に脱石油、脱石炭を進めており、90年にはもう対策がだいたい終わっていた。
エネルギー消費量あたりの二酸化炭素排出量でいえば日本は依然、ヨーロッパの
多くの国より進んでいる)、多国間で決めるにあたって国内の反論を押さえこめないと
思われるのであれば、そもそも合意すべきではなかったと言える。なんで合意しちゃった
んだろう。やっぱ京都だからか?
一方、欧州はEU ETS (Emission Trading Scheme)と呼ばれる域内枠組&これに
基づく国内規制を固めており、現場レベルまでの落とし込みができている。まあEU
ETSにも欠陥はあって、二酸化炭素を実際に減らすのに有効、とはまだ言い難いが、
少なくとも国内規制の前例をきちんと作れたことは大きい。
基づく国内規制を固めており、現場レベルまでの落とし込みができている。まあEU
ETSにも欠陥はあって、二酸化炭素を実際に減らすのに有効、とはまだ言い難いが、
少なくとも国内規制の前例をきちんと作れたことは大きい。
(2)は、現在のクライアントもけっこう大きいメーカーではあるのだが、色々コストを
計算してもうーん、そんな大したことない、という印象。これは、①排出規制がかかる
範囲がまだ狭く、全体に減らすべき量が少ない、②排出権が安いので買ってくれば
それで済む 等の理由による。
計算してもうーん、そんな大したことない、という印象。これは、①排出規制がかかる
範囲がまだ狭く、全体に減らすべき量が少ない、②排出権が安いので買ってくれば
それで済む 等の理由による。
特に金融危機後、景気が悪くなって工場が止まり、排出も自然と少なくなった結果、
ここで排出削減のためにわざわざ追加投資をする正当性がどこまであるか?という話。
ここで排出削減のためにわざわざ追加投資をする正当性がどこまであるか?という話。
(3)は言わずもがな。排出規制は国、地域によって本当にバラバラで、例えばいわゆる
排出権にも様々な形があって価格もバラバラなので、単にトレーディングするだけでも
これを全部押さえておく必要がある。
よってビジネスとして考えると、労力をけっこう割かねばならん一方、便益は大したことない
かもしれないので(将来化けるとしても、足元でどこまでキャッシュが生めるかは微妙)、
商売としてどこまで真剣に取り組むかは考えるべきだろう。
排出権にも様々な形があって価格もバラバラなので、単にトレーディングするだけでも
これを全部押さえておく必要がある。
よってビジネスとして考えると、労力をけっこう割かねばならん一方、便益は大したことない
かもしれないので(将来化けるとしても、足元でどこまでキャッシュが生めるかは微妙)、
商売としてどこまで真剣に取り組むかは考えるべきだろう。
そういや過去にCDM案件もトライしたことがあるが、めっさ手間がかかるわりに、二酸化
炭素排出を減らすことで生まれる収入は、正直全くプロジェクト経済性の助けにならない
(入ってくる金額も少ないし、入ってくるタイミングも遅いし)ことが分かり、やや失望した
こともある。
炭素排出を減らすことで生まれる収入は、正直全くプロジェクト経済性の助けにならない
(入ってくる金額も少ないし、入ってくるタイミングも遅いし)ことが分かり、やや失望した
こともある。
とは言え、これらは全て現在の規制を前提にしての話なので、今後の話には目を光らせ
ておかないといけない。ここ最近、アメリカの連邦レベルでの規制の話が動いているので、
もうちょっとこの話追いかけたい。
ておかないといけない。ここ最近、アメリカの連邦レベルでの規制の話が動いているので、
もうちょっとこの話追いかけたい。
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おっしゃるとおり
2010年04月07日水
ご無沙汰しております、mixiのぷにです。
日本でも、適用範囲を大幅拡大した改正省エネ法、
そしてはじめて企業にCO2のCap&Trade を課した
東京都環境確保条例がこの4月から始まりました。
いろんな企業から相談があるもんで、何かお手伝いできるかなと(上司の指示で)いろいろ考えているのですが、
結局企業にとっては、排出削減できなかった場合のペナルティーもたいしたことないのですよね。。。今の基準では。
おっしゃるとおり、知っておかなきゃいけない制度や情報はたくさんあるのに、たとえ知ってても、ビジネスには直接結びつかないのですよね。。。
一応、今いろんな企業で省エネに関するヒアリングを進めています。
私も、この仕事疲れてきました。。。(笑)
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