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ロンドンで働いてみた

Cambridge MBAを2010年夏に終了後、そのままロンドンで仕事してみています。 ここでの体験を日本で役立てられるよう、日々勉強しています。
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04.19.22:24

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  • 04/19/22:24

04.24.05:50

いち外人として

来月6日にはイギリス総選挙が迫っているが、immigration、すなわち俺も含む海外から
の移民をこれからどうすんのかがひとつの争点になっている。

実はMBA卒業後もこっちに残ってしばらく働く予定なので(詳細はまた)、労働ビザをいか
にとるかというのは目下大きな課題。学校の同級生の多くも同じような希望を持っているの
で関心の高いところ。

ということで昨日の党首討論なのだが。。。




いやー、いち外国人としては非常に不安になる内容。大丈夫かこれ。「Speak English....」
とか言われると、「はっはい!だいじょぶです(多分)」などとついビビってしまう。

とりあえず今年イギリス留学される皆さん、多分5月以降くらいから学生ビザの手続きされ
ると思いますが、書類の間違い、不備には十二分に注意してください。残念ながらハードル
は高くなってきております。

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04.18.21:51

オックスフォードへ

休日を利用して友人とオックスフォードへドライブ。
よく遊びに行くこのシンガポール人3名は、お互いプロジェクトや課題で一緒に働いたことは
一度もないが、文化的に近いこともあるのか、遊び友達としては最もリラックスできる。
 
オックスフォードに行くのは去年の受験以来1年ぶり。やはり街の規模としてはケンブリッジ
より随分大きい。イメージ、オックスフォードは代官山か中目黒くらいだが、ケンブリッジは
調布駅前な感じ。あと細かいことを言うと、ケンブリッジの道路は舗装がひどいので自転車
や車で走っていてもやたら揺れるが、オックスフォードだと極めてスムーズ。隣の芝生は・・
ではないが、ケンブリッジより都会な分、娯楽や食事の点でも選択肢は多そう。
 

CIMG2567.JPG CIMG2511.JPG
 







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オックスフォードの観光もやはり基本はカレッジ巡りで、ケンブリッジと一緒。ハリーポッター
とかの撮影に使われた最も有名なCrist Collegeは閉まってしまっていたが、それでも
気合いで街を歩き回り3カレッジ制覇。全体にケンブリッジのカレッジより大規模&重厚で、
特にNew College(1379年創立なので実は全然Newではない)というカレッジのチャペル
には圧倒された。

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去年合格後にケンブリッジと悩んだが、MBAプログラム自体ではどっちも一長一短あり、
なかなか決めきることができなかった。最終的にケンブリッジにしたのは、より街が小さく、
田舎くさく、公園だけはやたら広い、というケンブリッジの街の雰囲気がなんだかんだ
大きかったと思う。
 
 
今頃同じように悩んでらっしゃる方もいると思うのだが、まあ最後はなんとなくなフィーリング
で決めちゃうのもアリですよ、と思う。テキトーで恐縮ですが。。
 

04.17.16:11

Global Consulting Projectまとめ

昨日のプレゼンをもってついに1カ月にわたるGlobal Consulting Project(GCP)は
終了した。このプロジェクトはCambridge MBAのプログラムのメインでもあり、
興味のある方にとっては重要な点と思われるので以下簡単に総括。
 
 
1.総括
極めて濃い内容になった。満足いく結果になったのは主に以下の2~4がポイント。
 
 
2.チーム
前にも書いたが、まずチームメンバーに恵まれた。チームで重要なのはお互いの意見を
尊重する空気があるかどうかであり、一度プロジェクトの方向性で煮詰まった時、
俺が思い切って(自分の好きな方向に・・)誘導したのだが、よくありがちな、誰かが
チャチャを入れてるうちにワヤワヤになって結論が出ず、やむなく既存の方針で走る、
みたいなことにならず、他のメンバーがむしろ積極的に提案を後押し、補足してくれた。
 
この点は非常に難しく、対立が絶えないのもダメだが、お互いを「尊重」しすぎるチーム
だと、まともな意見交換をほとんどしないまま、個人の仕事の寄せ集めで終了してしまう
こともある。チームメンバーの性格、議論のためのスケジュールの共有などの点で、
正直ラッキーで、運命に感謝するしかない。
 
 
3.中身
GCPに何を期待するか、というのは人によってかなり異なると思う。
 
 ①興味のある分野で、自分が本当にやりたいことを極める
 ②色んな企業の人とかにインタビューして話をすることで学ぶ
 ③イギリス外、特に行ったことのない(これからも行きそうのない)国に行く
 
そしてこの3つは大概、全て達成するのは難しい。
 
俺のチームの場合、基本的な活動は図書館にこもってリサーチ、という感じだったので、
②も③もほとんど無し。③に関しては、海外協力系NGO出身が2人もいたりと、そもそも
「アフリカとか中東とか、もう色んな国行き尽くした」メンバーが多く、基本的に
みんな不満ゼロ。

②に関しては当初不満のあったメンバーもいたが、リサーチが進むにつれて、あまりに
この分野を知らなかったことに気づき、これはこれだけでも十分勉強になるな、ということ
で意見が一致。
 
むしろ、①にエネルギーを集約できたのが、全般にレベルの高い議論ができた一因だった
と思う。特に、新エネといえば太陽光発電業界、電気自動車業界とか色々あるが、その
前に「二酸化炭素業界」=各国政府と、その周りでうごめく(やや怪しげな)コンサル、
研究機関、投機家達というのが存在するんだなというのは大きな発見だった。
 
 
4.クライアントとの関係
うちのチームは他プロジェクトと違い、まずは大手コンサルが我々から見た客なのだが
そのコンサルが紹介する更に別の客に対して提案を行うというスタイルだった為、事実上
大手コンサルが我々のアドバイザーのように機能してくれた。よって、本当の客と、
アホな学生の狭間でゆれるコンサル担当者の苦悩をつぶさに見ることができた。
 
「プレゼンの構成が甘い」「提案が浅い」などのプロフェッショナルなコンサル指導と「いや
そういう言い方だと怒られちゃうから」「もうちょっと相手を立てるべく、グラフの見せ方を
変えろ」などのプロフェッショナルなサラリーマン指導は、非常に勉強になった。
 
一方、このコンサルから見れば、アホな学生が勉強したいって言ってるんです、といって
なし崩し的に客の情報を色々手に入れられたことは有益だったようだ。また、ついてくれて
いた担当者数名は、学生の世話係です、ということで客との関係、次の仕事への足掛かり
も作れたという。プロジェクト終了後に、「お前ら、グッジョブ」とほめられた。
 
 
5.その他
4.の最後とつながるが、この手のプロジェクトで通常クライアントが何を求めるかと
いうと、以下2点。
 
 ①使える学生をリクルーティングする機会
 ②学生(まあ、既にオッサンばかりだが)ならではのフレッシュな意見
 
特に、ベンチャー企業が相手であったCVPと違い、GCPの場合は①に尽きると思う。
 
クライアントは大手企業が中心であり、別に学生が提案する内容など本気で相手にして
いない。ただ、そこで光るものがある人間はそのまま会社で使ってもいいと思っている
わけである。
 
将来、自分の会社でケンブリッジと組んでGCPみたいなことを是非やってみたいと思う
が、その為には海外のMBA学生をさくっと採って本社で抜擢できるような土壌が必要
である。ここは日本企業にとって現状大きなハードル。ただ、海外により深く刺さって
いくには優秀な現地人を採ることが至上命題であり、何とかしないといけない。
がんばります。
 
 
 

04.14.08:17

よりマニアックな二酸化炭素と私

Global Consulting Projectも終盤を迎え、今までの調査や作った経済性モデルの総
仕上げをしている。今日はかなりマニアックな内容になるが、今後の新エネルギーとか
を考える上では重要な点なのでおさらい。
 
 
 
今回作った経済性モデルは、将来の二酸化炭素排出規制によって企業にどの程度の
コストインパクトがあるか、というもの。ここでコスト計算に一番きいてくるのは、当然ながら、
二酸化炭素排出権の価格が将来いくらくらいになっているかという点。価格が安ければ、
例え排出削減などできなくても権利を買ってくればいいじゃんだし、高ければ、外で買え
ないかもしれないから一生懸命(投資もして)排出削減しなきゃというロジックになる。
 
 
実はいま取引されている排出権にも色々あって、上場してマーケットで取引されてるもの
だけでも
 
(1) 国際的枠組みによるもの  と
(2) 国内の枠組み、もしくは企業間の自主規制によるもの
 
とがあり、(1)の代表格は①京都議定書がベースになっている「CER」、②欧州連合域内
排出量取引制度
(略称:EU-ETS)がベースになってる「EUA」であり、(2)の代表格は(いま
だ国際的枠組みには入っていない)アメリカ、シカゴで取引されている「CFI」「RGGI」など。
 
アメリカは京都議定書に入ってないから何にもしてないかというとそんなことはなくて、
州レベルの規制は進んでいて(ただし全くやってない州もある)、そういう州では(1)の国際
的枠組みと同じくキャップアンドトレード(排出削減をして余った分の権利は売っていいです
よという仕組み)をベースにした取引が(2)でなされている。 
 
で、今までの価格トレンドを見ると、例えば国際的枠組みであるEU-ETSをベースにした
EUAでも、2005年の取引開始以来、2006年と2008年に34ユーロ/トンをヒットして以降は
下がり続け(画像。見づらいですが。。)、直近では13ユーロ/トン近辺。

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(2)だと状況はもっと寒く、過去に10ドル/トン以上になったことはほぼ無い。

(2)の中で個人的に注目している銘柄で、「アメリカの連邦レベル規制が成立した暁には、
その時に使える排出権を渡す(よって規制が成立するかどうかのニュースに敏感に反応
する)」という商品(CFI-US)もあるが、これとて直近価格は8ドル/トン。


 
排出権価格がいまいち盛り上がらない理由は色々あるのだが、直近ではやはり、景気が悪く
なってエネルギー消費量が自然に減り、頑張らなくても二酸化炭素排出が減ってしまった、
ということ。例えばEUの排出削減目標は2020年までに1990年比でマイナス20%なのだが、
今の段階で(ほとんど努力せずに)既にマイナス10%達成できてしまったという。よって排出
権は完全に余っている。しかも余剰の排出権はとっておけばあとで使えるので、将来の価格
をも押し下げる。 
 
 
 
で、こういう状況で二酸化炭素価格をいくらで見積もりましょうか、という話になるのだが、
当然ながら我々としてはある程度低めに見ざるを得ない。まあたしかに超長期で見れば何が
起きるか分からんが、多少違うシナリオをいくつか用意するだけで済まそうと思っていた。
 
ところが我々のクライアント企業の担当者は、「それでは不満、もっと二酸化炭素は高く
なるはず。この前どこかの教授は150ユーロ/トンになるかもしれないと言ってた、だから
もっと上げた数字を作れ」という。
 
要はこの担当者は社内で「排出権削減プロジェクト」をやってる人なので、とにかく自分が
頑張らなければ会社に大きなダメージが出ますよ、とアピールしたいわけだ。さすがに直近
価格の10倍はやりすぎじゃ・・と言ってみるのだが、「いやいや将来の規制は超厳しくなる
からそんなもんじゃないって」と言って聞かず。
 
この人の気持ちも分からないことはなくて、要はこの排出権価格をベースに考えると、排出
削減をする為の投資などできなくなってしまうのである。そもそも投資をする以上、何らか
の固定資産を抱えることは避けられない一方、投資をしないことで食らうかもしれない変動
費が大したことなければ、社長としては投資に及び腰になる。よって、地球は救われない。
 
一方、「規制が超厳しくなるから価格も超高くなる」というロジックは真実そうに見えて
多分間違いで、なんでかというと、
 
・排出権というのは、そもそもみんなが規制(とそれによって生まれるペナルティ)を
 現実的なものとして恐れるから成立する。
・「こんなのやってらんねーよ」と思うほど規制が厳しすぎると、みんな規制のない国
 に逃げてしまう。政府もこれを分かってるから、みんなが逃げない程度の、いい感じ
 の規制にせざるを得ない。
・仮に全世界を囲い込んで超厳しい規制を作っても(多分政治的に無理だが)、誰もが
 「これ無理じゃね?」と思いだすと、公然と守らない人が出てくる。そうすると排出権
 の意義が喪失して、価格が暴落する。
 
という感じ。あってるかどうかは現実が決めることだが。

例えば日本みたいに、明らかに京都議定書の目標を守れなそうな国が、仮に「えーもう
勘弁してよ、無理無理」とかひとたび言ってしまうと、排出権マーケットは完全に崩壊
するだろう。日本政府がどうするつもりなのかよく知らないけど。京都の名にかけて何とか
するんだろうか。日本がギリギリでがんばるのであれば、やっぱ排出権は買いかも。
 
 
そんなこんなで、こっちの思いに拘るか、客の要望におもねるか、という典型的コンサル
ジレンマを(軽ーい形で)経験できている。まあこれも経験値。もうちょっとがんばりたい。

 

04.13.08:03

31

わざわざ自分でブログに書くか?とも思ったが。。。昨日で31歳になってしまいました。
 
近くにいる同級生はもとより、久しく連絡していない友人、先輩、後輩からもメッセージ
を頂き、感激しております。
 
日本語の世界で面と向かって「誕生日おめでとう」とか言われると、けっこう
気恥しくなってしまったり(女性からの時は特に)、「おっお前何狙いだ?」などと
ひねくれたことを思ってしまったり(女性からの時は除く)するのだが、英語で
ハッピーバースデーだと、同級生の同じく30過ぎのオッサンから野太い声で言われて
もスムーズにサンキュー、とか返せてしまうあたりが不思議である。この軽快さも
含めイングリッシュだなあとしみじみ思ってしまうあたり、所詮自分の英語能力は
まだまだなのだろう。
 
脇にそれてしまったが、メッセージ頂いた方、改めてありがとうございました。
まだまだ若輩者ですが、毎日一生懸命やっていく所存です。
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