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ロンドンで働いてみた

Cambridge MBAを2010年夏に終了後、そのままロンドンで仕事してみています。 ここでの体験を日本で役立てられるよう、日々勉強しています。
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04.20.14:38

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  • 04/20/14:38

02.03.07:20

Google中国

google_logo5.jpg




今学期はMBAっぽい授業がだいぶ増え、今日もGoogleの戦略についての議論などをしている。
 

Ten Golden Ruleと呼ばれるGoogleの社是には、"Don't be evil"、邪悪なことをするなという
メッセージがある。このメッセージは実務上、例えば、広告主からお金をもらって検索結果の
ランキングを操作することなどはしないという方針につながっている。他の一部検索サイトでは
このような操作を行っているところもあり、より高い広告収入を得ているのだが、Googleはこの
逆を行って、検索結果にバイアスをかけないことによってユーザーの信頼を得、シェアを伸ばし
てきたわけである。
 

だからといって検索結果を操作しているサイトのシェアが必ずしも低いかというとそうでもなくて、
代表的なのは中国No.1サイトの百度である。このことを授業中に指摘したところ、中国人の
声も聞きたいという意見が出て、中国本土出身でマイクロソフトで働いていたクラスメートが
発言することになった。
 
 

中国といえば目下、Googleがサイバー攻撃と検閲を理由に撤退を示唆していて、同級生の間
でも関心が高い。GoogleはDon't be evilという信念を貫いたのだ、と支持する声が多い中、
中国人同級生はなんだか発言にしくい感じにもなっている。


うーん、へんな風にけしかけてしまったかなあと反省しつつ聞いたのだが、クラスメート曰く、
検閲されてみんなハッピーなわけはないけど、中国は複雑&巨大なマーケットで、検閲を気に
しない人も多いし、そもそも何がevilかなんて、横から出てきて断言はできないよね、という
コメント。いやー、あの雰囲気の中でこの発言は立派。T君サンクス。

 

授業後も、イギリス人同級生が「中国人は検閲されることに社会的コンセンサスがあるのか?」
と追加質問してきたので一緒に聞いていたが、いやいや待て待てシンガポールだって報道は
されないけど実は大々的に検閲してるよね、そういえば中東だってそうじゃんという話になり
(ちなみに中東では最もリベラルなはずのUAEでも、例えばmixiは見れません)、少なくとも、
自由じゃない=evil、なんて決めつけをするのはちょっと傲慢な気はした。
 

そもそも中国の話で言えば、Googleは結局マーケットシェアの2割しか握れておらず、7割
近くは百度ユーザーである(ちなみに韓国も地元の検索エンジンnaverがぶっちぎり)。
 

他の中国人同級生に聞くと、要は百度の方が圧倒的に中国語検索がしやすく、さらにMP3
検索という、はやりの音楽を検索してその場で聞けてしまうサービスがあり、よってわざわざ
Googleを選ぶのは、百度では検索できない情報があるのを知っている一部の人だけだという。


もともと百度はGoogleのマネをして後追いで市場に入ったのだが、マーケットのニーズを
しっかりつかんで(中国では映画・音楽などエンタメの為にネットを使うユーザが大多数
だという)のしあがってきたわけである。
 

そうなると、欧米的価値観の世界では、「あのGoogleが撤退する?やっぱ相当邪悪だな、
中国。」みたいに思われがちだが、要は競争に負けたイチ業者が撤退するのみとも言える。
考えすぎかもしれないが、撤退にあたってカッコがつく理由を探していただけかもしれない。
 

もうひとつ言えば、Google中国撤退の話題では、結局こういう政治的な見解しか出てこず、
「あの会社の撤退は中国のネット市場の将来にどんな影響があるのか、ユーザーがくっきり
別れてたのだとしたら、もしかしたら市場が縮小しちゃうんじゃないだろうか、それとも誰かが
穴を埋めていくのか」等のビジネス的視点が欠けているのが残念なところ。むしろMBAでは
こういう話をしたいわけで、ここは中国人同級生とこれから数人で話そうと思う。
 

日本にいると政治的な要素もあって遠く感じてしまう中国だが、ここにいると相当身近。だか
らって打倒欧米みたいな狭い考え方になっちゃいかんのだが、少なくとも偏見や思いこみは
捨てて分かりあっていきたいと思う。

 

 

 

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01.31.20:02

リバプール vs ボルトン

イギリス渡航後147日目、やっとプレミアリーグを見に行けた。もともとイギリスMBAを選んだ理由のひとつもサッカーだったはずなのに、ここまで遅くなってしまうとは。。不覚。
 

シンガポール人の友人3名と車で4時間かけリバプールへ。レンタルした車にカーナビが付いて
おらず、iPhoneの地図機能だけで行けるかどうか一瞬議論するも、外人4人だけの旅でそんな
リスクとれねえとすぐ一致。まずはディスカウントショップでナビを買うところから始めるだいぶ
前途多難な行程。

着いたのは試合開始20分前、かなりギリギリだが絶妙なタイミング。スタジアムに入るとすぐに
リバプールサポーターの歌、「You'll Never Walk Alone」の大合唱が響き渡り、選手入場。昨日
の徹夜とここに着くまでの疲労感と相まって、かなり感慨深い。
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リバプールのホームスタジアムであるアンフィールドは他のプレミアトップチームのスタジアム
と比べても小さい為、特にチケットがとりづらいと言われていた。ネットで予約してくれた友人に
感謝。たしかに想像以上に会場が狭く、ピッチまでの距離がやたら近い。しかもゴール裏、
リバプールサイドの席だった為、気合の入った地元サポーターに囲まれ、熱気がハンパない。
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試合は前半、リバプールはなかなかいい形でFWに球が繋げられず。フラストレーションのたまる
展開。クロスから押し込んで1点入れたものの、いまいちスピード感に欠ける内容。大黒柱の
ジェラード先輩は前線で何度もポジションチェンジしつつ、存在感は出すが、周りとの連携が
なんだか。
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後半はボルトンの中盤が間延びしてきたところを支配できるようになり、完全にリバプール
ペース。追加点はオウンゴールの1点のみだったが、前半から一気に修正してきたところは
さすが。ゴールこそ決まらなかったものの、ジェラードのフリーキックも生で見れたのでまあ
よしという感じ。
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試合後、勝利の雰囲気に酔いしれつつ、観光客っぽく場内の写真を撮りまくる。もうちょっと
スタジアムにいたかったが、そこはイギリス、場内の係員が早く出てけコールをはじめ、しょうが
ないのでサポーター軍団とともに早々に退散。

動画は「You'll Never Walk Alone」のイメージ。次はマンチェスターかな。。
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01.24.10:17

日本人コミュニティでえらそうに話す

今日はケンブリッジの日本人コミュニティである十色会という集まりでプレゼンをしてきた。

プレゼン自体は、自分が商社でやってきたエネルギー業界の話をしただけなので何のことはないが、ケンブリッジにいる研究者たちから見た、素朴な質問・意見を色々聞けるのは有意義だった。

自分がやってきた化石燃料の世界は、最近のいわゆる新エネルギーに比べて、マスに訴える努力をしてこなかったところがあり、あまりそこでの悩みが世間で知られていないのだが、本当は世論とか政治に支えてほしいと部分もたくさんある。これからはもっと出てくるはず。

自分の表現力でどこまで伝わるかは微妙だが、自分の持ってきた問題意識を一生懸命伝え、将来サポートが得られるようにしていきたいと思う。


この日の打ち上げでは、ケンブリッジで学部生をやっている子にも何人か会えた。この環境で勉強している学生でも、自分の将来を一分野の研究に捧げるにはまだまだ抵抗があり、逆に海外で手広く商売を展開している商社は魅力的に映るという。そうか早く海外に来たからって将来のゴールが見えてるわけではないんだなと変に感心しつつ、こういう頭のいい子たちに喜んで入ってもらえる会社を作らんとあかんなと思った。

映像は今日プレゼンしたLNG業界の中で最も勢いのあるカタールの特集。
こいつらにこれからどうやって食らいついていくかが、一つの勝負である。


01.22.08:57

ややしんど

2学期(Lent Term)が始まって以来、ちょっとばかり忙しい。


毎週エッセイを提出する授業を選択したためで、自分で選んだのでしょうがないのだが。
 

この上、よせばいいのにカレッジのイベント担当を引き受けてしまい(これは今度また詳しく書きます)、これも想定以上に時間がかかり、JALとかハイチとか色々あるのにあまりニュースも見れていないのが無念。


とはいえ、授業も前学期より実りのあるものが多く、カレッジはカレッジで、800年大学をやっているケンブリッジならではの伝統を感じる部分も多く、勉強にはなっている。


そういえばその選択した授業で、投資銀行の歴史について学んだ。全く知らなかったのだが、いわゆる投資銀行は元々は19世紀に大西洋で貿易をしていた商人たちが源流らしい。彼らは取引をする中で貿易金融、保険などのファイナンス技術に長け、産業が発展して大資本が必要になるのにあわせ企業向けファイナンスに以降していき、海底横断ケーブルや長距離鉄道などの巨大ディールをまとめていったという。


よってイギリスの伝統的な投資銀行は「商人」からとって「マーチャントバンク」と呼ばれていたのだが、そう考えると要はもとは日本の商社の形態に近かったわけで、逆になぜ日本と違って貿易部分が切り離されていったのかなど興味深い。
 

そのマーチャントバンク達も、80年代のイギリス金融ビッグバンで既存の特権が自由化されてしまい、容赦なくアメリカの投資銀行に吸収されていくのだが、最後までなんとか残っていた組の
代表格がベアリング証券である。
 

このベアリング証券も、最後はニックリーソンというトレーダーの巨額の損失隠しでつぶれるわけだが、自分もトレーダーのはしくれとして、このおっさんがなぜ負けまくったのか、なぜ隠そうとしたのか、最後にどこで「ああもうあかん」と諦めて海外逃亡したのかは興味深い。
 

昔本で読んだ限りでは、たしか日本株を基本的にロングしていて、阪神大震災で相場が下がって大打撃を受けた後、今度は同じ日本株オプションのショートストラドル(こんなの↓)0a598d67618ff9d0133b156ebeb96fb3.jpgで賭けに出た










のだが、やっぱりダメでした、というストーリーだったと記憶。最後にとったポジションは、相場が動かない場合に儲かるものなので、地震で相場が荒れる中でここにいくのはやや根性ありすぎ、というか危なすぎなのだが、察するに手元流動性が全然なくて、とりあえず手前で金がほしかったのだろう。ただ、これでは死ぬ前の時間稼ぎにしかなってないが。。。


なんだかなあと思うが、この世界では損失隠しはままある話で、自分だったらどうするか、自分が上司の立場だったらどうコントロールするかなど、リアルに考えていきたいと思う。<
 

01.16.07:35

ナイジェリアン青年実業家と呑む


学校主催のイベントで、ナイジェリアで最近イケてる実業家の話を聞く。
 

ナイジェリア出身、イギリスで幼少期を過ごし、アメリカの超有名校に通い、25歳でナイジェリアに戻り、家業から始めて、欧米資本のナイジェリア現地店を買収しまくってのしあがってきたという。御年41歳。顔は相当イカツい。
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現在発電、Oil & Gas、建設などを展開し、まだまだ広げるぜという。今のナイジェリアの国際的立ち位置からすると、言いすぎかもしれないが日本なら渋沢栄一みたいなもんだろうか。

スピーチは極めてシャープかつ論理的で、その分きっと嫌う人も多いだろうなというような印象。Green発電のアフリカでの可能性について質問した学生を、「Greenっていうか、そりゃその方がいいんだろうけど、その前に電気まだ通ってないんだから見る視点違うよね」と切って捨てていた。これは正しいと思う(ちなみに同氏曰く、ナイジェリア全体での発電量はいまだ最大3,000MWだという。これは、東京電力1社での64,000MWと比較すると、規模が違いすぎる。Greenにするといってもインパクトはほぼ無いだろう。)
 

その後、学校・同級生と一緒に運よく同氏と食事をする機会があったので、ここでもけっこう真剣に話を聞いた。個人的には最近アフリカはかなりアツい。嬉しいことに日本の商社のことまで知っているようだったが、名前が最初に出てきたのが同業他社だったのは無念。。。


以下、スピーチ・夕食で印象に残った言葉。


・アフリカに来る会社は多い。でも世界はアフリカとビジネスする覚悟が本当にあるか?
・ナイジェリアで商売するには政治とのコネが必要と思うのは誤解。アフリカは変化してきている。
・ナイジェリアの石油ガス産業は過去からのしがらみによる非効率な部分多い。これは(自分が)
 変えなければならない。
・商売がしたければ偏見なく自分の目で情勢を見るべし。


 

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